以前の記事で,WHOのサイトを参照してマスクの効果の有無を解説した。ざっくりまとめると,①マスクの予防効果はそんなに高くない,②正しく使用していて,かつ正しい手洗いをこまめにしていることが前提ということを述べた。詳しくは下のリンクから記事を読んでいただきたい。

さて,今回は具体的に論文を出しながらマスクの効果について知っていこう。

オーストラリアの26人の学生を対象にした実験(*1)によると,人は1時間に平均して23回も顔を触っていることが分かった。このうちの44%が粘膜の部分であり,36%が口,31%が鼻,27%が目,残りの6%がこれらの組み合わせであった。起きている時間(17時間とする)だけでも,一日で鼻と口を合わせて262回も触れていることになる。これを考えると,マスクの着用は飛沫の防御だけではなく,手で粘膜に触れる回数を減らす効果があると分かる。ところが反面,正しくマスクを使用していない場合はかえって細菌の温床となり,マスクを触れた手でほかの粘膜に触れることにより病気にかかりやすくなることも考えられる。このことからも,マスクをつけるのであれば,その正しい使い方がいかに重要であるかを実感できるだろう。特に日本人はその性質から,顔を手で隠すという行為を頻繁に行うのでなおさらだ。

 

日本人の医療従事者を対象にした研究(*2)では,風邪に対するマスクの効果が有意に認められなかった。医療関係の方は一日にマスクを何度も取り換えるなど,正しい着用法を徹底しているはずなので,我々一般人が毎日新しいマスクを着けかえる程度では風邪の予防に効果はないと考えられる。この研究は参加者の母数が少ないが,合計期間が6年半以上と長いので信頼してもよいだろう。

 

*3のレターによると,マスク単独では予防効果が低く,適切な手洗いによる手指の衛生が効果的であるということが分かる。さらに2017年のメタ分析では,そもそもマスクの着用は重要でないという結論に至っている。

 

マスクの予防効果の有無はさておき,ストレスや不安により免疫力が大きく低下することは,非常に多くの研究から常識となっている。「マスクが足りない,どこにも売っていない,自分はマスクを着けていないから感染しやすいんじゃないか」というストレスによって免疫力が低下することのほうが,よっぽどウイルス感染に寄与するのではないだろうか。

正しい知識を身につけて,手洗いと規則正しい生活や定期的な運動さえしていれば,感染も防げるだろうし,少なくとも重症にはならないだろう。予防のための道具が一転して感染の原因になるような馬鹿げたことにならないようにしたい。

 

ここで一つ提案。”飛沫を防ぎたい+人混みの中にいても自分から離れてほしい+モテたい,かっこよくなりたい”という方にはこちら!厨二心をくすぐられるコレで,予防してみてはいかがでしょうか。

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*1 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25637115/

*2 https://www.ajicjournal.org/article/S0196-6553(08)00909-7/fulltext

*3 https://www.yoshida-pharm.com/2018/letter128/

*4 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28487207/